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zoom RSS 見当違いの反論が来たので、説明しとくわ

<<   作成日時 : 2016/10/25 03:04   >>

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中澤氏から、見当違いの反論が来たので、2つに別けて説明します。

1)汚染物質の性質の違い
2)地層の様態について


まず中澤氏が持ってきたこの図は、テトラクロロエチレン等の有機塩素系溶剤の地下水汚染を図解したものです。
主に井戸水を摂取する事による健康被害を懸念したものです。
画像


ベンゼンとは全く違う動きをする汚染物質による豊洲とは全く違う地形での挙動を挙げて

「土壌汚染ってのはね、こんな風に広がるんだよ。」

とドヤ顔で説明されても、
(゚Д゚)ハァ?
としか言いようがない。


1)汚染物質の性質の違い

ベンゼン
分離状態では水より軽い 0.88
水に溶けている状態では水と同じ動き 溶解度 1800mg/L(25℃)
揮発性は高い
気体状態では空気より重い 2.7

テトラクロロエチレン
分離状態では水より重い1.6
水に溶けている状態では水と同じ動き 溶解度 150mg/L(25℃)
揮発性は高い
気体状態では空気より重い 4.53


テトラクロロエチレンは、水よりも重く、常温では揮発性が高い(揮発した気体の蒸気比重は4.53とかなり重い)無色透明の液体です。

ドライクリーニングの溶剤として洗濯業で使われたり、精密機器や部品の加工段階で用いた油の除去などに使われてきました。1980年代に有機塩素系溶剤による地下水汚染等の環境汚染が社会問題となり、しばしば『深部へと拡散しやすい地下水汚染』の代表選手として登場し地下水汚染の教科書にもこの手の図は頻出します。

土壌中に原液のままで排出された場合、土壌への吸着性が弱いため地下浸透して地下水を汚染し、長い間残留する可能性があります。

つまり『水より軽いベンゼンと全く違った動きをするもの』です。
そして、この図は井戸水の汚染を懸念した図です。

前回のブログで説明した図だと、こういう図になります。

画像

(ちょっとベンゼンの1/10の溶解度を考えると、浸透円がでか過ぎたな…こりゃ)
汚染物質そのものは水より重いので、徐々に落下。その際、水に溶けたテトラクロロエチレンはベンゼンの1/10の同心円状に浸透。傾きのある不浸水層まで落ちたら、今度は不浸水層に沿って横移動。不浸水層の低所に溜まる。(不浸水層の不連続面があれば、そこから更に深い場所へ落ちるが、登っては来ない)


要は浮いてこない類の汚染ですから、いくら揮発性が高いとは言え地下水を使わない施設である以上、考慮する必要は無いわけです。

余談ですが、築地市場の方がクリーニング工場があった地歴から、テトラクロロエチレンによる地下水汚染は深刻なはずです。


この時点で、前回例に挙げたベンゼンの土壌汚染の広がりを示し、300ヶ所のボーリング不要を訴えた記事の否定根拠にはなりえません。


強いて言うなら「鉛」がこのテトラクロロエチレンに近い地下挙動をします。
当たり前の様に水より重い物質です。



2)地層の様態について

中澤氏は30mメッシュでは地層の傾きは測れないと思っているフシがありますが…
地学の地層図で、30mメッシュなんて細かいボーリング調査で作られる贅沢な類ものはありません。
(地層図作るのに、そんな予算は出ない)

30mよりももっと荒い「先行ボーリング」「既往のボーリング」がコチラで
画像

赤丸と緑丸の所がそう。

この荒いボーリング調査によって以下のような第一不透水層である有楽町層 Yc 層【粘性土(粘土・シルト)層】の上端深度の分布図が作成されます。

画像

細かい凹凸についてですが…沖積層(主に河から流れてきた堆積物によって出来た層)である以上、細かい凹凸が存在する可能性は微小で、見逃したとしても影響も軽微です。

仮に地層の傾きによって、深部へ落ちていった汚染が存在する事を予期するのは簡単です。単に地層図に沿って深い位置でボーリング調査すれば見つかる訳ですから。つまり有楽町層 Yc 層の一番深い所がチェック出来ていれば、10mメッシュに拘る必要はありません。むしろ底部に於いてちゃんと深部調査がされているかどうか?そこをチェックすべきで、水平方向の細かさに拘っても全く意味がありません。

また中澤氏が提示した図に、地下水の流れによる汚染の横移動が描かれていますが、豊洲は埋立地で周囲よりも基礎地盤が低くなった、言わば地下水の低所です。流れの終着点とも言えます。

なので、豊洲に於いては地下水の側方移動は不浸水層の傾き以外では発生しにくいです。
もちろん、その調査は必要で、専門家会議で既に調査済です。(中澤氏が連呼する10mメッシュの結果です)

Q:地下水が汚染されていて、汚染物質が移動していると考えられるのではない
か。

A:ご指摘通り、地下水汚染は土壌から地下水に溶け出した汚染物質が広がったものであり、ピンポイントである土壌汚染に比べて広く分布します。新市場予定地の場合、ベンゼンによる高濃度地下水汚染範囲が非常に局所的であり、高濃度箇所に隣接する10m区画の地下水が汚染されていないことも多い等、一般的な事例に比べて地下水汚染が広がっていないと判断しています。 

「豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議報告書(案)」に対する意見募集の実施結果について  より


つまり浸透圧以外の要因による横方向の汚染拡大は、10mメッシュで掘っても見つかっていないと言う事です。


更に中澤氏はベンゼンが沈む要因にタールに包まれてという話をしていましたが、これも専門家会議で検討済です。

以前から問題になってございました430r/?のベンゼンが出たというタールだまり、これを調べてみますと、50p上にも50p下にもなかったと。こういう高濃度のものはなかったと。それから、5m離れて東西南北で調べてみましても、こういうものはなかったということで、非常に小さな、パッチ状態と申し上げますけれども、本当に小さな、こういうふうな感じのベンゼン、あるいはタール、シアン、そういったものの固まりが存在する可能性がある。それをボーリングで調べるということは到底不可能であるということで、それであれば、これはA.P.4mから2mの間は、つまり、かつて東京ガスがガス工場として稼働していた旧地盤面から下、A.P.2mまではすべて掘っていただいて、肉眼で汚染の状況を確認していただく以外に方法はないということですので、A.P.4mから2mまではすべて処理対象物質、操業由来の物質であろうと、自然由来であろうと、すべて土壌の入れかえが必要であるということが、この専門家会議の結論の1つ(第8回専門家会議より)


つまり、タールに包まれたベンゼンは非常に小さな、パッチ状態で地下50cmの深さに点在し、沈んでもいないし浮いてもいない事が確認されています。それも10mではなく5mメッシュによる超詳細調査によって判明しています。

だから東京ガス工場旧地盤面から下、A.P.2mまでは、全て掘削し科学処理に回している訳です。

東ガス田町工場跡地では地下15mから出ていると彼は反論していますが、そもそも田町工場跡地と豊洲工場跡地では地歴も工場運用も同じではありません。もちろん調査前の推測であればそれもありですが、彼の好む10mメッシュよりも更に細かい試験的5mメッシュで調べて、「50p上にも50p下にもなかった」と出ているわけです。

また科学的に考えても、タールに包まれた状態では、その包まれた単体自体の大きさ故にく、地下水の中で動けずに土壌吸着してしまい深く潜れないのではないか?という疑念が発生しますし、実際の調査結果もその通りになっっています。

更に中澤氏が大きく勘違いしているのが、ボーリング調査を水平方向に細かくやらないと見つからない(もしくは細かくやれば見つかる)と思っている点です。地学的な理解やイメージが無いから言葉としての10mメッシュに固執している様ですが…

土壌の濃度でボーリングをしている地点よりも、地下水で見ているほうが多いのですね。441のうちの300ですから、ざっと7割ぐらいが地下水で見ているわけですので、地下水で見ている限りは、多分抜けはないと思うのですね。非常に厳しい方向に見ておりますので、そういう意味でも多分抜けはないだろうということ。土壌のボーリングでいきますと、必ず抜けは出てくるということです。という感じがしました。過去に、430r/?のベンゼンの溶出濃度があって、今回はそれを、これだけボーリングしても超えているところはなかったということですので、それはやっぱりピンポイントでやる限界があると。地下水で見たほうがより広く見られる(第8回専門家会議より)


つまり、どれだけ多くの深度に於いて地下水調査をしているか?という点のほうが重要で、メッシュの細かさで実現するのは、当てずっぽうに撃った弾が当たる形で非水溶性の汚染を発見する様なもんです。
基本的に水に溶けず気化もしない類の汚染は、地上に出て来ようが無いわけで、人への暴露経路もない為、これまた見逃しても問題はありません。

補足でベンゾピレンについても言及しときましょう。


ベンゾ{a}ピレン
分離状態では水より重い 1.4
水に溶けない  溶解度(<0.1 g/100 ml)
揮発性はベンゼン程ではないが高い
気体状態では空気より重い 8.71

どんな動きするかわかるよね。テトラクロロエチレンから同心円状の浸透円を取り除いたモデルになります。
ただ、水との比重差が殆ど無いので、かなりゆっくり沈みます。(と言うか、不浸水層に届く前にバクテリア分解されそう)

実際、最高濃度検出地点は地下水中間深度となってます。

ベンゾピレンも、テトラクロロエチレンと同様、浮かび上がる類の汚染ではないので、地下水混入による人への暴露経路が問題であって、地下水を使わない豊洲市場では、特に問題はありませんね。

最後にシアン化化合物についてちょっと触れておく

こいつは、汚染物質としてシアン化化合物があって、それが地下水に浸る事でシアン化イオンとして水中に溶け出し、地下水水と同等の動きをする。
水と分離する際は、その場のpH等によって水素と反応すればシアン化水素になり、海水に含まれるナトリウムと反応してシアン化ナトリウムになったり、土中のカリウムと反応してシアン化カリウムになったりする。
シアン化ナトリウムの水比重は1.6、シアン化カリウムの水比重は1.85なので、若干水より重い。しかしこの2つは常温で個体なので、水から分離してシアン化化合物となった場合は、その位置に固定される。

つまり地中の動きとしては同心円状に浸透するが沈んだりしない。(下方向への移動がない)と考えて差し支えない。
ただ非常に水によく溶けるので、広く広がり、そして発見も容易と言う事。


結局、気化する(揮発する)汚染物質こそが、人への暴露経路を考慮すると注意すべきもので、その類の汚染物質に対する東京都の対策は、これでもか!というレベルで偏執的と言っても過言じゃない。
そして、それ以外に対する対策は、法令よりちょっと上のレベルで適切に調査・処理している。


とにかく中澤氏は、化学も地学も全く理解せず10mメッシュ10mメッシュを連呼するだけ。
必要なのは前回の記事にも書きましたが

「調べてみて汚染の痕跡が見つかったら、更に細かく調べなさい」

それは、水平方向であろうと鉛直方向であろうと同じこと。



とは言っても、別にピンポイントでお宝発見!と探し当てる事が目標じゃなくて、汚染の確認と掘削除去した後に、どの科学処理プラントに送るのか?という目安の為の調査なので、汚染の確認が出来ればOKなのです。

そして、その間の汚染があると断定出来るのであれば、どのみち処理するのですから「調べてないけどここは汚染されてます」でもOKなのです。(危険側に振っている訳ですから)

もちろん、法令上どうなのかは別ですが…
科学的にも安全的にもOKなのは言うまでもありません。


また、不浸水層の不連続面から、更に深い場所へ汚染が落ち込む事は十分に考えられます。
なので、豊洲市場の建築着工を1年遅らせて、猪瀬元都知事の指示で有楽町層の不連続面の下側の調査も行っています。


つまり、こと豊洲に於いて、東京都は

科学的に疑わしい部分は偏執的とも言えるレベルで徹底的に調査し対策を施しています。

その徹底した指示の一つが

「不透水層直上まで土壌汚染が確認されている区画(約400区画)は、土壌汚染対策工事の中で追加のボーリング調査を行い、汚染土壌の存在する深度を確定した後、汚染土壌を掘削除去する」

であって、残りの
汚染は見つかったが不透水層直上までは行っていない区画(約300区画)と言うのは、前回説明した通り、追加のボーリングは不要(やっても何も出てこない)と言うことです。

要は汚染物質の化学的性質を正しく理解し、地下での挙動をキチンと把握した上で判断している事なのです。


そもそも発見された汚染物質が水より重いなら、沈むなんて事は馬鹿でも予測出来ますし、更に不浸水層まで届いていないなら、横方向への移動は豊洲の場合は無いわけですから、そこで終了です。

まして、各汚染物質の挙動すら理解していない(知識の拾い食い程度の基礎教養の無い)輩が、あーだこーだ騒いでもピント外れなのです。


300区画の調査がされてないと騒ぐのは

言葉狩り

に過ぎません。


また、仮に深刻な調査漏れが300ヶ所もあったら、そもそも地下水モニタリング調査で、もっともっと高い値が出るはずです。


これは5街区の土壌汚染発見の地図とモニタリングポストを重ねたものですが…
KONAYAさん作成)

画像

画像


例えば、ボーリング調査で検出があった地点周辺にモニタリング観測井戸が無くて、あれ?って思うと、その上に砕石層があって、その砕石層水路の下流に地下水管理システムの観測井戸が配置されているとかw これ、ひっかけ問題かよwww

とにかく、この観測井戸の配置は「これでもか」と言うレベルで偏執的です。

コレに引っかからない(先日、やっと基準値を少し超えましたが)って事は300箇所は不要だった証拠でもあります。

結果が全てとは言いませんが、この結果を見て「まだそんな事を騒ぐの?」と呆れざるを得ません。

さて、中澤氏の指摘に戻りますが

ドヤ顔で「土壌汚染ってのはね、こんな風に広がるんだよ。」等と言って、私が描いたベンゼンの土壌汚染拡大の簡略図にぶつけて来るのであれば、せめてベンゼンの拡散図を示すべきです。

正直、お話にならないレベルで頭が痛い…
最初は怒りに震えて一気に書き上げ、後から分かりやすく修正していたのだが…その後の彼のうそぶいた振る舞いや言動を見ていて、討論する気も失せた。

なので途中から分かりやすく説明するのが面倒になって、駄文になってしまったm(_ _)m

追記)
ここで言う地下水の移動がない。と言うのは工事前の土壌の話。
地下水管理システムが動き、遮水壁で閉ざされた中の地中で、揚水を繰り返すことで地下水が動く話とは別の話です。
画像

地下水管理システムが稼働して、揚水が進むことで、汚染を含む地下水の移動が行われ、それを揚水出来たなら地下水管理システムの水位を保つ以外の役割である、現位置揚水処理という地下水汚染処理機能が有効に動いているという事です。

2017/05/05 追記
アノ図の出典が明らかに…案の定、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンの拡散図でしたな。しかも豊洲市場の汚染よりずっと酷いwww









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地下水管理システムについて騒ぎ過ぎな件(´・ω・`)
なんかまだ地下水位がどうのこうのとバカ言ってる輩がいるので書いとくわ(´・ω・`) まず大前提だけど…地下水管理システムって、想定耐用年数10年だぜ。(井戸のポンプも遮水壁も) ...続きを見る
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2016/12/01 08:24

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